プレゼンテーションで緊張を和らげる具体的な練習方法と本番のコツ11選(前編)
今日も読んでいただきありがとうございます。
ブロガーのすだち(@kutibashikiiro)です。
今回はプレゼンテーションで緊張を和らげる準備と本番のコツについてお伝えします。
長くなってしまったので、今回は前編(おもに発表準備)です。
約4400文字、読むと約15分ちょっとかかりますので、目次から気になる内容をチェックしてみてください。
皆さんは面接や試験で緊張して力が出せないことはあるでしょうか。私も以前は緊張しやすいタイプで、たとえば面接では答えてはいるけど答えるので精いっぱいで何を言ったか記憶がありませんでした。
発表が多すぎた大学院時代にはこの緊張する性格が災いし3日間ほど全く動けなくなりました(もちろん無断欠席)。このままでは精神を病むと思い、この時からストレスコントロールについて自分なりに学び始めました。
今では職場の大きな報告会でも緊張していないように見えるそうです。発表で緊張しにくい状態を作るためには本番の前の準備がすべてだと思っています。
そこで実際に私がしている発表の練習方法と本番で緊張を和らげるコツについて具体的に解説していきます。何か一つでもあなたのお役に立てればうれしいです。
筆記試験で緊張を和らげる方法はこちら。
簡単に私の自己紹介をさせてください。
・高校(高専)時代から化学を10年以上専攻し、現在も化学系研究開発職
・大学(編入)~大学院の7年間は大学への支払いゼロ(免除制度の活用)
・大学院時代(5年間)には毎年約200~300万円の給与型奨学金と研究費を取得
・北米やマレーシアなどで研究、インターン等を行う(合計で1年弱)
・甲種危険物取扱者(国家資格)、TOEIC IP 825点(在学時)
有機化学系の大学院と聞くと実験のイメージが強いと思います。しかしながら、毎週の進捗報告、ほぼ毎月の学会発表、外部資金の申請書(とても大変)など大量の発表と実験をこなします。実験が苦でない私でも資料作成と発表そのものがストレスの源だったのです。(注)もちろん研究室によって変わります。
- はじめに
- その① 資料準備:1スライド1メッセージが鉄則
- その② 発表練習:スライドと原稿で詰まるポイントを確認
- その③ 発表練習:原稿を見なくても80%発表できるようにする
- その④ 発表練習:早口で発表してみる
- その⑤ 発表練習:スライドなしで発表する
- その⑥ 発表練習:本番と同様に発表する
- さいごに
はじめに
そもそも発表するときになぜ緊張するのでしょうか。私の経験では主に次のようなものが多い印象です(他にもいっぱいありますが)。
①発表が上手くできるか不安(時間通りに進められるか、途中で止まらないか)
②質疑応答で何が来るのか不安
③途中で頭が真っ白にならないか不安
④みんなにどう思われているか気になる
本番で緊張を和らげる方法を発表のたびに考えたところ、プレゼンテーションは準備の段階で緊張の度合いがだいたい決まってしまうことが分かりました。
そのため、今回の記事はどう準備するか、にフォーカスしたものになります。自分なりにベストを尽くした準備に加え、本番で実力を出すコツをいくつかお伝えします。
その① 資料準備:1スライド1メッセージが鉄則
聞いたことがあるかもしれませんが、シンプルに1スライド1メッセージが基本です。メリットとして、発表の流れが作りやすい、流れがおかしい時に気づきやすくなります。
シンプルかつ流れがいいスライド=発表中に詰まりにくい=緊張するポイントが減る
と、いいことずくめです。
緊張するスライドは、要点が自分でも明確に整理できていない=本番で思い出せない、となってしまいます(経験談)。
デメリットはスカスカなスライドが必ずできることです。スカスカさが気になって情報を入れたくなってしまいますが、シンプルにしておきましょう。
プレゼンテーションでは、分かりやすさと発表しやすさ>>>見栄え
と私は思っています。優先順位をしっかり決めてスライドをつくりましょう。
実験系の発表を例に具体例を挙げてみます。
実験系ではある仮定に基づいていくつか試し、最も良かった結果を発表する、という形が多いと思います。そのため、背景などを説明した後に次のように細かくスライドを作っていきましょう。
スライド①:仮定にかかわる要素など全体像を紹介する(例えば3つ)
スライド②~④:それぞれの要素を検証した結果
スライド⑤~:もし追加検討した場合は追加要素ごとに1スライド追加
スライド⑥~:検証結果のまとめ
ここで注意しておきたいのは結論は必ず文字でシンプルに入れておく、です。
緊張しても結論から逆算して話すことができますし、意図が上手く伝わらなくても見ている方はある程度理解できるでしょう。
スライドが完成したら、原稿をつくり、指導教員などに赤字を入れてもらいましょう。この段階で話の流れを修正し、その後で練習を始めると無駄がないと思います。
それでは実際にできたスライドで練習してみましょう。段階を踏んで原稿を体に叩き込んでいきます。
その② 発表練習:スライドと原稿で詰まるポイントを確認
まず、スライドと原稿の流れが切れるポイントを見つけていきます。つくったばかりなので、話しにくい部分を原稿を見ながら練習してあぶりだしていきます。
この時に原稿はがっつり見るのではなく、ちらちら見ることがポイントです。1スライドごとに原稿を見たポイントをメモしておきましょう。ここが発表が詰まるかもしれないポイントです。
ポイントが分かったら話しやすいように原稿の文と文の間をつなげていきます。たとえば具体的な修正ポイントは次の通りです。
①(原稿)接続詞を入れる
②(原稿)間にクッションとなる文章を追加する
③(スライド)現行のヒントとなるワードをタイトルにする
④(スライド)結論の文章を変えてみる
原稿は、接続詞を入れると文と文の関係性(逆説なのか、事実か、ただの意見か)が明確になります。また、原稿で詰まるときは説明を一段階ほど飛ばしていることが多いです(特に日々の研究でいちいち話さない前提部分など)。あるべき文章が抜けていないか確認してみましょう。
スライドは、要約の精度を高めていきます。原稿を修正するといいたいことのニュアンスが少し変わってくるかもしれません。それがシンプルに一文で表現できるか、について考えてタイトルと結論を作成しましょう。
その③ 発表練習:原稿を見なくても80%発表できるようにする
流れができたらある程度原稿を見なくても発表できるように練習します。
この時のポイントは以下の通りです。
①なるべく本番のように立って、聴衆をチラ見する癖をつけつつ練習する
②しっかり声を出す
③詰まったポイントはメモして、話しやすいように修正する
④あー、えーといったつなぎ言葉は絶対に我慢する
基本的には本番を意識して練習します。回数は少なくてもいいので、しっかり原稿を理解し、本番で詰まるポイントを洗い出しましょう。
理想的にはこの時から、聴衆をチラ見する癖をつけます。
さらにあー、といったつなぎ言葉は使わないようにしましょう。沈黙はとっっても怖いですが、勇気をもって数秒の沈黙は我慢します。つなぎ言葉は流れの良しあしをごまかしてしまいます。
その④ 発表練習:早口で発表してみる
次にある程度原稿が頭に入ったら、本番で緊張することを想定して早口で発表練習します。
本番では早口になり、次の内容を思い出すだけで精一杯になります。この状態になってもゆっくりしたスピードに戻す意識的な余裕を作るための練習です。
この時のポイントは以下の通りです。
①主にスライドを見ながら倍速を目安に発表する
②原稿は手元にあっても大丈夫
③詰まった部分はメモして可能なら文章を修正する
④理想は息継ぎ以外は止まらないこと
⑤ある程度できれば大丈夫
発表のスピードなら大丈夫でも、早口では粗が出てくるところがあります。
粗い部分をさらに滑らかにし、発表原稿に口をなじませて勝手に口が回るくらいまで行けると理想的です。早口なので時間もかからない点もメリットです。
ただ、原稿はあくまでも原稿です。本番で言い間違えた際は別の言葉でつなぐ必要があります。早口で出てきた言い間違いをどうつなぐか、も意識できれば完璧です。
その⑤ 発表練習:スライドなしで発表する
さらに、スライドなしで発表練習して聴衆を見て話せるようにします。こうすると、必要なポイントだけスライドを見て示せばいいようになります。
この時のポイントは以下の通りです。
①聴衆(練習なのでいないけど)を常に見て話す
②スライドを頭で想像しながら話す
③ある程度できれば大丈夫
発表の評価は聴衆の方を見ているほうが好印象です。さらに、聴衆としても見られていると聞く気になったり、説得力も増すのではないでしょうか。
原稿とスライドを一度に想像するのはかなり大変な作業です。とはいえ、これができれば緊張しても普段通りに戻るタイミングを増やすことができます。
さらにいいことには発表中に余裕が生まれると、改善点が見つけやすくなります。例えば、常に同じ声の大きさだから次は緩急をつけてみよう、意外と沈黙が長くても大丈夫だな、等です。
発表中の課題に気づくと、緊張するどころかもっといい発表ができるようになっていきます。
その⑥ 発表練習:本番と同様に発表する
ここでやっと本番練習する段階に入ります。
本番練習の目的は話す速度や時間などを調整し毎回同じように発表できるようになることです。くわえて、前回の反省を活かして今回はどうしようか、という新しいことも試していきます。
なぜここまで色々な練習をしてから本番練習に入るというと、毎回同じようなレベルで発表できないと細かい修正が難しいからです(発表時間のズレなど)。
そこで、一定のレベルを確認する作業が今回の①~⑤という感じです。
毎回同じようなクオリティで話すことができれば大きな失敗はないですし、心理的にも安心して発表することができます。
さいごに
いかがだったでしょうか。
今回は前編ということで発表で緊張を和らげるための準備を紹介しました。緊張を和らげる、といいつつ、いい発表をする練習方法のようになってしまいました。
ただ、緊張を和らげるには準備をしっかりするしかないと思っています。
プレゼンテーション本番で役立つポイントを抑えて準備すると、緊張する度合いはぐっと下げることができます。
今回紹介した中からあなたに合ったものをぜひ試してもらえばと思います。
試して効果があったり、なかったり、少し変えてみたなど、ぜひコメントもしくはTwitter(@kutibashikiiro)までDMください。お待ちしております。
もちろん、わかりにくかった、なども大歓迎です!あなたに伝わるブログにしていきます。
今回もありがとうございました。
今年の目標(48記事)まで、のこり45!