きいろいくちばし

はたらく博士の雑記ブログ

甲種危険物取扱者試験の反省とおすすめ勉強法(2020年12月合格)

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まず初めに結論を

勉強期間・・・約2か月(推定40時間ほど)

知識レベル・・化学系博士卒(化合物の名前はだいたい分かるレベル)

                       (乙種・丙種の受験経験はありません)

受験結果・・・法令 86%(2問不正解)

       物理・化学 100%

       性質・消火 95%(1問不正解)

       

結果から言うと下記テキスト二冊のおかげで余裕をもって合格できましたが、結果発表までとても不安でした。

その原因は甲種危険物取扱者試験の攻略方針を間違っていたことにあります。

 

【試験前】

合格ボーダーラインの60%を超えるか不安なので正答率100%を目指そう!そのためには難問もすべて解かなくては!

 

【試験後】 

①甲種危険物取扱者試験は難問を解く必要は全く無い。

②試験範囲をしっかり暗記し、暗記していれば答えられる簡単な問題を絶対に間違わないこと。

の二点が重要だと気づきました。

 

私は試験間近でミスした難問の正答率を上げることに集中していました。そのため本番で簡単(でも暗記していないと解けない)な問題が絶対に合っているか自信がなかったのです。

 

この反省を皆様に活かしてもらえるように私が効率的と思う勉強法も提案いたします。長文となってしまいますが参考にしていただければ幸いです。

 

※この資格が必要となる方は化学に関する知識のある理系学部・大学院レベルの方が多いと思いますのでその前提で書いていきます。

受験結果の感想

法令 86%(2問不正解)

物理・化学 100%

性質・消火 95%(1問不正解)

という結果について考察しました。

 

【法令について】

法令は2問間違えていましたが、間違えた問題は私の使用したテキストには記載がありませんでした。このことから、法令はテキスト記載外の範囲が出題される可能性が高いため正答率は70%程度と少し厳しい値をボーダーラインと考えたほうがいいかもしれません。

 

【物理・化学について】

計算問題がメインとなっていますが、消火方法に関しても出題のあるセクションです。特に消火剤の適用火災の表などはしっかり目を通しておく必要があると改めて感じました。

 

【性質・消火について】

間違えた一問は覚えていませんがおそらく化合物の物性ではないかと思います。試験前は化合物の性状が出ないと(勝手に)思っていたので物性を軽んじてしまったんですよね。皆さんはしっかり勉強することをお勧めします。しっかり出題されますので。

テキストのご紹介

以下の二冊が今回の受験で使用したものになります。

 

メインテキスト:わかりやすい!甲種危険物取扱者試験

【メリット】

①学習項目ごとにテキストと問題がまとめられており、概要→詳細を把握という流れで学習を進めやすい。

②私が受験した回でも全く同じ問題が出ているので試験本番でも安全マージンを確保でき、精神的にも安心できる。

 

【デメリット】

①間違いが多いこと。気になる方はHPに正誤表もありますので確認をおすすめします(私が気づいたものは既に記載がありました)。

 

正直この一冊でも十分合格できるのでは?という完成度の高い一冊だと思います。実際にテキストだけで合格した友人もいます。このことから、基本的にはテキストに迷ったらこの一冊で良いのではないかと思います。 

 

サブテキスト(問題集):甲種危険物取扱者試験 平成30年版

私が利用したのは平成30年度版と少し古いものでした。こちらは合格した方のおさがりをいただきました笑。

【メリット】

①600問を超える問題数があり、これがすべて解けるようになればかなり自信がつく。

②このテキストだけでも合格している方もいる実績もある。

 

【デメリット】

①問題を解くことがメインとなってしまうので、知識の体系化が難しい。一般には概要→詳細の方が理解しやすいとは思いますが、問題集ばかりを解いていると概要の理解が難しく、知識をうまく引き出せなくなる可能性がある。

②600問はかなりハード。時間をしっかり確保しなければ周回してしっかり理解しているかどうか確認できません。

 

このことから、本テキストは時間に余裕のある方のサブテキストとして、もしくはこのテキスト一冊のみ実施する方におすすめです。

今回の私の勉強方法

私の勉強方法は以下の通りでした。

 

①メインテキストのテキスト部分だけを何度か繰り返し読む

②メインテキストの問題集を三周する。

③サブテキストを開始し、二周する。このとき適宜メインテキストを確認して暗記。

④試験前日にメイン、サブテキストの間違えた部分だけを確認

 

上記、③、④が間違いだったと感じています。実際にテストに出題された内容も私のメインテキストから多く出題されていました(私の受験した回は)。そのため、サブテキストを中途半端に行うよりも一冊を徹底的にやりこむことで十分だと思います。

 

①について

まずはメインテキストのテキストのみに目を通しました。保安距離、移送、指定数量などどういった項目があるかをまず把握し、詳細は全く暗記していませんでした。

 

②について

一週目の問題集ではどういった問題が出題されているかを学びました。学んだあとに対応するテキスト部分を見直すことで、復習しておきます。二周目ではどのあたりが弱いのか定着度を測り、間違った問題は復習していました。

 

③、④について(←間違い)

サブテキストを開始しましたが、メインテキストのテキスト部分があいまいだったので結局実りは少なかったかと思います。個人的には理解度を図りたかったのですが、そのせいでサブテキストを行いつつ理解する、という当初の方向から徐々に外れていきました。さらに、何度も間違えてしまう難しい問題に集中してしまうなどさらに合格から遠ざかる方向に。。。

反省を活かしたおすすめ勉強方法

大事なことは記憶する部分を分散して何度も行うことで、一回当たりの負荷を減らして学習を辞めないことです。さらに、”使える知識”にするためにしっかりと復習することです。

 

私はメインテキストのテキスト部分をしっかり理解する前に、問題集を始めてしまいました。そのため、基礎となるテキスト部分の知識があやふやなままで問題集をこなしてしまったので、サブテキストもメインテキストも中途半端になってしまいました。

 

この反省点を活かして考える勉強方法は以下の通りです。基本的には私が使用したメインテキストをベースにします。

テキストの進め方の詳細については後日、記事にしたいと思います。

 

①メインテキストのテキスト部分だけを周回しながらざっくり内容を把握します。

例えば法令なら

 1周目;保安距離、移送、指定数量などの項目があることを把握

 2周目;指定数量の場合は1~6類のだいたいの値を把握

 3周目;類ごとの正確な指定数量を把握

 4周目;それぞれの指定数量に対応する化合物を把握

というような感じです。

上記はあくまでも参考なので、周回する回数や分散の割合は好みで良いと思います。

 

②メインテキストの問題を解いてみます(問題をざっくり把握)

メインテキスト周回中でも構いませんので、一通り問題を解いてみて問題を把握してみましょう。この時、間違った問題を記録する必要も正答率を上げようとする必要もありません。ただ、どういった問題が出てくるのかを把握する目的で行います。

 

③メインテキスト最後の模擬テストを解き試験本番の傾向を把握します

テキストの問題だけではテストの難易度が分かりにくいので、早めに模擬テストを解くことをおすすめします。受験後に見直すと私の受験した回よりも少し難易度は高めに感じました。

模擬テストを解いてみると何となく出題されやすい問題が分かってきます。

 

④テキスト部分の概要と詳細を周回しつつしっかり把握します(重要だと思う部分を重視して)

メインテキストの問題と模擬テストを済ませることで何となく重要な項目が分かってきたかと思います。そこで①で行った部分の内容を重要さのコントラストを着けながらしっかり把握していきます。この時も周回する意識が重要です。重要なものからしっかり把握していきましょう。

もちろんまだ完璧に網羅する必要はありません。

 

⑤問題をこなしながら、メインテキストの知識を覚えます

ステップ④では重要な部分だけでしたので、問題集を実施しながら細かな部分の知識を補完していきます。ここでは適宜テキストに戻りながら実施するとよいと思います。

 

⑥もう一度メインテキストに戻って知識を完成させる

この時点ではすでに合格レベルに達していると思いますが、万全を期すためにさらに知識を磨きます。

ダメ押しでメインテキストを見直して、語呂合わせや共通点など細かな部分をしっかり把握していきましょう。

 

⑥問題集部分を最初から全部やって漏れがないことを確認(試験直前)

試験直前ではメインテキストの漏れを確認しながら、総仕上げとして全部の問題を解いておきましょう。

 

ここまで実施すればきっとテキストは完璧だと思いますので余裕があれば+αで別売り問題集などを実施するとよいと思います。

合格に必要だと思うこと

暗記しなければならないので必然的に、概要の理解→詳細の理解というプロセスを繰り返して試験時にすぐに引き出せる”使える知識”を習得する必要があります。

 

そのため、勉強時間とともにテキストに触れる回数そのものが記憶の定着に必要となります。

 

これから受験する方は勉強=机に向かうものではなく、ベッドの上でもソファーでもどこでもいいのでテキストに触れる頻度を高くする方法をまず見つけてみてください。

継続することよりも勉強を辞めないこと、を意識すると気楽になると思います。

 

実際に私が勉強した場所は9割以上がベッドの上でした笑。最後の追い込みの二日間だけしっかり机に向かって定着していない部分を復習する、という感じでした。

 

皆さんも勉強の仕方にとらわれることなく自分が無理なく続けられる勉強方法を探してみてください。そうすればきっと今後の勉強にも役立つのではないかと思います。

実は合格者は多い?甲種危険物取扱者試験の難易度

私は甲種危険物はそれほど難易度の高い試験だとは思っておりません(もちろん危険物の中では難しいですが)。ぜひ皆さんにも自信をもって挑んでいただきたいのでその理由を説明します。

 

本試験は国家資格危険物取扱者・消防設備士の指定試験機関である一般財団法人 消防試験研究センターが実施しています。

 

この試験について上記HPに記載されている合格率をざっくりまとめてみると、以下のようになります。

平成28年度:33%前後(年度の平均)

平成28年度~:37%前後(年度の平均)

令和2年度9月:約52%

 

徐々に合格率が上がっていることがわかります。この理由として最近は(使い回されている?)問題が蓄積されてきたためではないかと思います。

 

実際に私はメインテキストと全く同じ問題だけで合格ライン分の正解を確保することができた、と結果として思っています。このことから、情報がしっかり集積されている現状ではしっかり勉強時間を確保できれば(もちろん運要素もありますが)、十分合格できる試験なのではないかと思います。

最後に(まとめ)

①甲種危険物はどういう試験か

試験範囲の中から瞬時に必要な情報を思い出す必要があるため試験時に”使える知識”を身につけることが求められる。

 

②勉強方法のまとめ

基本はテキスト→問題→テキスト→問題を繰り返すことで一回当たりの負担を減らしつつ、知識を定着させる方法がおすすめです。

 

③勉強方法を考えてみる

とにかく勉強を継続することが重要です。そのため多少効率は下がっても自分に合った場所・方法で継続して行うことが重要だと思います。